図書館から借りていた、葉室麟著、「星と龍」(朝日新聞出版 )を読み終えた。
本書は、2017年4月14日~2017年11月24日まで、「週間朝日」に連載された長編小説著であるが、その2017年初め頃には、すでに発病されていて、2017年12月23日に死去された著者葉室麟の最後の長編時代小説になっている。
本書は、「未完」となっており、もし著者が書き続けて、ストーリーを完了させていたならば、「星と龍」という表題からして、「星」=後醍醐天皇と「龍」=楠木正成のその後の生き様とその死まで描き切ったのではないかと想像出来る作品である。

▢目次
(一)~(三十一)
解説 阿部龍太郎
▢主な登場人物
楠木正成(くすのきまさしげ、多門丸、多門兵衛、夢兵衛)・久子、
楠木正季(くすのきまさすえ)、楠木正遠入道(くすのきまさとおうにゅうどう)、
鬼灯(ほおずき)、
夢窓疎石(むそうそせき)、無風、
赤松円心(次郎、則村)、名和伯耆長年、宇都宮公綱(うつのみやきんつな)、
北条高時、長崎高資、
後醍醐天皇、阿部廉子、大塔宮護良親王(尊雲)、日野俊基
足利尊氏(足利又太郎、足利高氏)、高師直(こうのもろなお)、新田義貞、
鬼若、鈴虫、
岳飛(がくひ)、秦檜(しんかい)、高宋(南宋皇帝)
▢あらすじ等
悪党と呼ばれる一族に生まれた楠木正成の信条は、「正義」。近隣の諸将を討伐した
正成は、後醍醐天皇の信頼を得ていくが、自ら理想とする世の中と現実との隔たりに
困惑。
正成たちが茶室に入ると夢窓は清雅な佇まいで茶を点てながら、
「さて、楠木殿は、帝と足利が争えばいずれにつかれる」と訊いた。
(未完)
で終わっている。