記憶曖昧になっているが 確か 昭和40年代、就職してまもない頃だったと思う。
それまで カメラ等(当時は まだ 写真機と呼んでいたような気がするが)は
お金持ちの持つ贅沢品?の如く 遠い存在に思っていた類だったが
薄給にも拘らず どうしても 自分のカメラが欲しいと思っていた時期でもあった。
当時 フィルム1コマで2枚の写真が撮れるハーフサイズカメラ 「オリンパス ペン」が発売されていて、
多分 値段もそれまでのカメラから比べれば 格安だったのだと思う。
無理をして 買った最初のカメラ、それは 「オリンパス ペン」だった。
フィルムもおいそれと買うことも出来ない暮らしの中、
旅行や特別な行事の際に 何枚か記念写真を撮る程度が 関の山だった気がする。
撮った写真は プリントしてアルバムに貼り付けたものだ。
やはり記憶曖昧だが 確か 結婚後 子供が生まれた頃だったと思うが
「オリンパス ペン」から 誰でも簡単に写せるが歌い文句のバカチョンカメラ(小型フィルムカメラ)、「フジカ写るんです」に
取り替えた。
このカメラは 結構長い年月 愛用していたが、
30代後半頃、小学生中学生の長男次男と一緒に 年に何回か登山をするようになってからのことである。
初期の頃は やはり 記念写真を撮る位で バカチョンカメラで甘んじていたが、
それまで眼中に無かった山岳風景や高山植物に目が向くようになり 撮り始めたものの、
所詮 バカチョンカメラ、綺麗に写るはず無しで 毎度 がっかりしたものだ。
次第に 1眼レフカメラが 欲しくて欲しくてならない時期が到来。
すでに デジタルカメラが 各社から発売され始めており、
もう少し我慢して デジタルカメラ1眼レフにするべきところだったが
憧れが先に立ってしまい、先見の明無く、
清水の舞台から飛び降りる思いで フォルムカメラの1眼レフ 「ニコン」を 買ったのだった。
当時は まだ ネット販売等もなく 自転車操業の自営業者にしては 結構 高価な買い物をしてしまった分けである。
買ったはいいが 切れ目の無い仕事で カメラ、写真に凝る余裕等無し
1年に何回かしか使う機会が無いまま、飾り物の如しになってしまっていた。
直後 カメラメーカー、電機メーカー各社から コンパクトデジカメが 多種発売され始め
重いカメラ、レンズの1眼レフよりも 手軽に持って歩ける コンパクトデジカメに魅かれてしまい、
手頃な値段のコンパクトデジタルカメラ 「キャノン」を 購入、
以後 いつでも、どこでも コンデジ、
常用機となってしまったのである。
急速に フィルムカメラは姿を消し、カメラは デジタルカメラ時代となってしまって、
フィルムカメラ1眼レフ 「ニコン」も お蔵入り状態になってから、
もう 20年?25年?経ってしまったのだろうか。
何の役にも立たないカメラ、ただ未練が有って なかなか廃棄処分出来ずにきたが、
このまま 残しておいても仕方無いこと、
先日 「古いフィルムカメラ・レンズでも 値が付くものも有る」とのいう誘い文句を頼りに
カメラ買い取り業者に 持ち込んだ。
予想通り、やはり カメラ本体、レンズ共 保管状況が悪くて キズ、汚れ、カビも付いており、
査定額は ほとんどゼロということだったが
数本のレンズの内の1本に値が付き 夫婦でファミレスのランチ出来る程の金額に納得して引き渡してきた。
これにて1件落着、
長年の宿題を片付けたような すっきり感、さっぱり感である。