たけじいの残日雑記懐古控

「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」・日記風備忘雑記懐古録

ふっと思い出した故郷の言葉 No.70 「ひんね」

昭和20年代から30年代前半、幼少期を北陸の山村で過ごした爺さん、当時 聞いたり、話したりしていた言葉(方言)も、ほとんど思い出せなくなっている。根っからの地元民ではなかった家族の中で育ったこともあり、身に染み込んでいなかったからだと思う。それでも 時々 何かのきっかけで ふっと思い出すことがある。記憶曖昧、多少ニュアンスが違っていたり、勘違いだったりの可能性も有りだが またすっかり思い出せなくなる前に 爺さんの引き出し(ブログ カテゴリー)「懐かしい故郷の方言」に 書き留め置くことにしている。


当時の農家は、夏の間、猛暑の日中の農作業を避けて、夜明け前に起床、薄暗い内から朝食時間までの涼しい時間帯(「朝飯前」(あさはんまえ)と言っていたが)に、草刈り等の農作業をしていた。朝食後、午前中もその続きをしたが、昼食後は、開け放った座敷や茶の間で、ゴロリと横になって数時間、昼寝をする習慣があった。夏休み中等には、子供達も、昼寝を強要されたものだが、近所となりの子供達から、「水浴び(みずあび)、行こ!」等と声がかかると、とても昼寝なんかしておれず、大人達の制止を振り切って かんかん照りの中、飛び出していったものだった。年寄りが、「昼寝」のことを「ひんね」と言っていたことを思い出した。

(ネットから拝借イラスト)


No.70 「ひんね」

「昼寝」のこと。「ひるね」が訛ったもの。方言なのかどうかは分からない。

例えば

「オマンタ、ヒンネシテナルトコニ、ヨッテシモテ、ワルイネ」
(あなた方が昼寝しておられるところにお邪魔してしまい申し訳けありませんね

「コンナアッチャイヒニ、ヒンネモセント、カワラニイッタラ、ネッシャビョウニナルゾ」
(こんなに暑い日に昼寝もしないで川原へいったら熱射病になりますよ)